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栄養士は難易度が高い?!資格の難易度や取得するまでの最短ルートを紹介!

社会人になってから栄養士の仕事に興味を持ち、栄養士養成施設に通って資格を取得しようと考えている方もいるでしょう。
栄養士になるためには、厚生労働大臣指定の栄養士養成施設(大学、短大、専門学校)を卒業し、都道府県に申請することで「栄養士資格」の免許を取得することができます。
栄養士養成施設は、大学や短大であれば入学にあたって学力テストがありますが、専門学校には入試などがないところが多く、専門学校だと最短で2年間あれば栄養士の資格が取得できます。但し、夜間過程で栄養士養成課程を修了することはできませんので、昼間に学校へ通うことが前提となります。

栄養士の資格取得の難易度は?

前述したように、栄養士の資格については、専門学校であれば入試などがないため、基本的には試験に合格する難易度といった考え方はありません。しかし、栄養士には、管理栄養士といった資格があり、管理栄養士になるためには試験に合格しなければなりません。管理栄養士は、栄養士の上位資格にあたり、栄養士養成施設または管理栄養士養成施設を卒業して、一定期間の実務経験(管理栄養士養成施設を卒業の場合は実務経験免除)が必要になります。直近の管理栄養士の合格率を確認してみると、厚生労働省により発表された「第 33 回 管理栄養士国家試験(2019 年 3 月実施)」によれば、受験者数が17,864人に対し、合格者数は10,796 人となっていましたので、合格率は 60.4%が実績となっていました。ちなみに、単年だけでは難易度が読み取りにくいため、2010年~2019年までの10年間の合格率の平均を計算してみると、合格率は48.5%となるので半数を下回っていることが分かります。この数字から見る限り、管理栄養士の資格の取得はやや難易度が高い部類に入るかもしれません。
参考までに、栄養士や管理栄養士と職場が同じで多少なりとも関連性のある国家資格として、看護師、保健師、介護福祉士、調理師などがその一例として挙げられますが、それぞれを比較してみたところ、合格率が最も高いのは看護師で最も低いのは管理栄養士でした。但し、受験者数や試験問題の難しさなどもそれぞれ違うので、合格率の数字だけでは難易度の判定は難しく、あくまでも参考情報の1つとして見てください。

■栄養士の職場で関連性の高い国家資格の合格率を比較

・看護師(2019年)/受験者数63,603人、合格者数56,767人、合格率89.3%
・保健師 (2019年)/受験者数8,376人、合格者数6,852人、合格率81.8%
・介護福祉士(2019年)/受験者数94,610人、合格者数69,736人、合格率73.7%
・調理師(2018年)/受験者数28,370人、合格者数17,472人、合格率61.6%
・管理栄養士(2019年)/受験者数17,864人、合格者数10,796 人、合格率60.4%

[厚生労働省 保健師、看護師の合格発表]
[厚生労働省 介護福祉士合格発表]
[厚生労働省 調理師免許合格発表]
[厚生労働省 管理栄養士合格発表]

■栄養士と管理栄養士の免許交付の推移

[栄養士免許交付数の推移]
平成25年/1,003,915(累計)、18,567(免許交付数)
平成26年/1,023,005(累計)、19,090(免許交付数)
平成27年/1,041,605(累計)、18,600(免許交付数)
平成28年/1,060,771(累計)、19,166(免許交付数)
平成29年/1,079,322(累計)、18,551(免許交付数)
[管理栄養士名簿登録数の推移]
平成26年/194,445(累計)、10,216(免許交付数)
平成27年/205,267(累計)、10,822(免許交付数)
平成28年/213,7265(累計)、8,459(免許交付数)
平成29年/224,077(累計)、10,351(免許交付数)
平成30年/234,196(累計)、10,119(免許交付数)

出典:厚生労働省健康局健康課栄養指導室「栄養士免許交付数の推移」「管理栄養士名簿登録数の推移」

栄養士養成施設は昼間部のみで夜間部はありません!

例えば、働きながら栄養士、管理栄養士の資格を取得しようと考える場合、不可能ではありませんが、基本的に日中の時間帯は栄養士養成施設に通わなければなりません。したがって、もしも仕事しながら学校に通うことを検討しているのであれば、学校の授業に影響しないように仕事することになるので、学校へ行く前の早朝か学校が終わってからの夜、ないしは学校が休みの日に限定されることになります。残念ながら、栄養士の資格は、通信講座などの独学で取得することもできないのが現状です。

栄養士の資格を取得する方法

専門学校
・2年制の栄養士養成課程の専門学校
・3年制の栄養士養成課程の専門学校
・4年制の栄養士養成課程の専門学校
短期大学
・2年制の栄養士養成課程の短大
・3年制の栄養士養成課程の短大
4年制大学
・4年制の栄養士養成課程の大学

管理栄養士の資格を取得する方法

管理栄養士の国家試験を受験するためには、4年制の管理栄養士養成校を卒業するか、大学、短大、専門などの2~4年制の栄養士養成施設を卒業し、栄養士資格を取得後1~3年の実務経験を積む方法です。なお、実務経験として認められる職場や必要な実務経験年数は、以下の通りになっています。

必要な実務経験年数
・2年制の栄養士養成施設を卒業した場合は3年以上の実務が必要
・3年制の栄養士養成施設を卒業した場合は2年以上の実務が必要
・4年制の栄養士養成施設を卒業した場合は1年以上の実務が必要
実務経験として認められる施設
・寄宿舎、学校、病院等で、特定多数人に対して継続的に食事を供給するもの
・食品の製造、加工、調理または販売を業とするもの
・学校、専修学校、各種学校、幼保連携型認定こども園など
・栄養に関する研究所および保健所などの行政機関
・このほか、栄養に関する知識の普及・指導の業務が行われるもの

栄養士養成施設の勉強は難しい?

栄養士の資格の取得を目指している方の中には、「栄養士は何について学ぶのか」「そもそも栄養士は文系なのか理系なのか」「栄養士の勉強は、難しいそうだな…」と悩んだり、疑問をお持ちだったりする方もいることでしょう。栄養士の基礎となる栄養学は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミンがどのように体内で吸収するのか、健康にどのような関わりを示すのかなどについて学びます。主な必修科目としては、「公衆衛生学」「解剖生理学/生化学」「食品学/食品衛生学」「栄養学/臨床栄養学」「栄養指導論/公衆栄養学」「給食管理学/調理学」などが範囲となり、こうした必修科目は栄養士に欠かせない知識として習得しなければなりません。
また、栄養士は、化学式の計算をする数学的な要素も多いので、どちらかと言えば理系に分類される理解で間違いありません。そう聞くと「難しそうだな…」と感じるかもしれませんが、学校では基礎からしっかりと教えてくれますので心配ありませんよ。
先入観などによる苦手意識は無くし、校外実習などの楽しい要素もあるので、前向きにチャレンジしてみて下さい。

まとめ
今回は、これから栄養士を目指す方に向け、栄養士になるための様々な情報を取り上げましたが、栄養士の資格は、専門学校の場合、時間と学費が用意できれば取得することが出来るでしょう。社会人で働きながら学校に通う場合は、時間的且つ経済的な問題をクリアしなければなりません。
日本は、高齢化とともに生活習慣病の改善と予防が大きな課題となっていますので、栄養士の活躍に大きな期待が寄せられています。