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「栄養士になるために」卒業までにかかる学費はいくらかかる? 栄養士養成施設別に費用目安を紹介!

栄養士になるためには、厚生労働大臣指定の栄養士養成施設を卒業し、都道府県に申請することで「栄養士資格」の免許を取得することができますが、それまでにいくらの費用がかかるのでしょうか。栄養士養成課程を修了するには、大学、短大、専門学校の3つのいずれかの学校に通うことになりますので、進路によって卒業までの学費が変わるのはもちろんですが、短大もしくは専門学校に2年通うのが最短ルートとなり、4年生の大学や専門学校を選択すると最長で4年間の学費が必要になります。今回の記事では、これから栄養士を目指す方に向け、栄養士養成施設別の特徴や卒業までにかかる費用などを紹介していきたいと思います。

栄養士養成施設毎の卒業までにかかる年数

栄養士の資格を取得する場合には、指定の栄養士養成施設に通うことになりますが、専門学校、短大、大学の3つの中から進学する学校を決め、全部で7つのコースのいずれかを卒業することになります。

専門学校
·2年制の栄養士養成課程の専門学校
·3年制の栄養士養成課程の専門学校
·4年制の栄養士養成課程の専門学校
短期大学
·2年制の栄養士養成課程の短大
·3年制の栄養士養成課程の短大
4年制大学
·4年制の栄養士養成課程の大学
·4年制の管理栄養士養成課程の大学

また、栄養士の資格取得は、基本的に夜間部が指定できる学校がなく、栄養士養成施設の入学(高卒以上)が必須となりますので、独学で取得することは出来ません。
栄養士として働きたい職場にもよりますが、できるだけ早く栄養士として働きたいなら2年制の短大か専門学校の入学を目指し、食や栄養などに関して深く学びたいのであれば4年制の大学か専門学校が適していると考えられます。学校によって特色が異なりますので、「どんな現場で働き、何に力を入れたいのか」を整理して、入試に向けて勉強すると良いでしょう。

栄養士養成施設別に学費はどのくらい必要となるのか?

結論から先に説明すると、筆者が計算した目安となりますが、2年制の専門学校で約260万円、2年制の短大(私立)で約230万円、4年制の大学(私立)で約340万円が卒業までにかかる必要です。以下、栄養士養成施設別に、それぞれの学校の特徴や学費の内訳などの平均についてまとめしたので、詳しく解説していきましょう。

栄養士になるための専門学校の学費

専門学校の場合には、栄養士として働くために、実践的な教育に注力している傾向があります。大学や短大とは違い、栄養に関する専門的な科目や、調理技術の上達などに特化した授業も多いので、卒業後にすぐ就職することを視野に入れながら学ぶことになるでしょう。また、栄養士の専門学校は、学校によって名称は違いますが、2年制の「栄養士科」の場合が多く、3年制が「栄養士科 実践栄養コース」、4年制では「管理栄養士学科」「健康栄養学科」「健康メディカル学部」などのコースがあります。学費の項目としては、入学金、授業料、実験・実習費、施設・設備費などの学費のほか、その他として教材費(教科書、白衣、包丁セットなど)や同窓会費などが別途必要な学校もあるようです。納付金は、公益社団法人東京都専修学校各種学校協会「平成30年度 専修学校各種学校 調査統計資料」を確認してみると、専門学校の分野別に初年度にかかる「栄養·調理の納付金」が公開されていますが、これをもとに筆者が卒業までにかかる学費を計算したところ、次のようになりました。

専門学校2~4年制の納付金
2年制の栄養士養成課程の専門学校/2,602,000円
@1,220,000円(授業料等)×2(年数)+180,000円(入学金)
3年制の栄養士養成課程の専門学校/3,840,000円
@1,220,000円(授業料等)×3(年数)+180,000円(入学金)
4年制の栄養士養成課程の専門学校/5,060,000円
@1,220,000円(授業料等)×4(年数)+180,000円(入学金)
内訳]※初年度の費用
·入学金/180,000円
·授業料/602,000円
·実習費/330,000円
·設備費/197,000円
·その他/91,000円

出典:公益社団法人東京都専修学校各種学校協会、公益財団法人東京都私学財団「平成30年度 専修学校各種学校 調査統計資料」平成30年度 学生·生徒納付金調査
※各科目ごとの平均値を集計しているため、横の合計は一致しない。金額表示は千円以下四捨五入。
※入学金は初年度のみの加算となります。

栄養士になるための短大の学費

短大の場合には、学校によって学部·学科の名称も異なりますが、「食物栄養学科」「生活学科」「健康生活学科」などがあり、大半の学校は2年制が多く、中には3年制の学校もありますが、いずれも基礎から栄養士になるための知識や技術を身につけていくことになります。また、短大の場合には、4年制の大学と同様、一般教養などの科目も用意されていますので、
基本的に栄養士になる方が多いものの、なかには一般職などに就く方もいます。学費の項目としては、入学料、授業料、施設設備費、実験実習料などで、その他にも教科書やテキスト代、課外活動費、卒業準備金などが必要な場合があります。納付金には、文部科学省の「平成29年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(令和元年8月時点で最新版)」を見ると、学部ごとには調査されていませんので、栄養士に該当する「家政学科」を参考に初年度にかかる納付金を確認することができます。これをもとに筆者が卒業までにかかる学費を計算してみると、次のようになりました。

短期大学2~3年制(私立)の納付金
2年制の栄養士養成課程の短期大学/2,338,400円
@1,046,379円(授業料等)×2(年数)+245,642円(入学金)
3年制の栄養士養成課程の短期大学/3,384,779円
@1,046,379円(授業料等)×3(年数)+245,642円(入学金)
[内訳]※初年度の費用
·入学料/245,642円
·授業料/702,795円
·施設設備費/158,834円
·実験実習料/72,312円
·その他/112,438円

出典:文部科学省「平成29年度私立短期大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」
※栄養士になるための学科で調査はされていませんので、該当する「家政学科」を参考にしています。

栄養士になるための大学の学費

大学の場合には、昼間部の4年制となり、学校によって学部·学科の名称も異なりますが、「栄養科学科」「管理栄養学科」「食物栄養学科(家政学部)」などがあり、栄養士養成課程と管理栄養士養成課程の両方が置かれている場合があるでしょう。ここ数年は、管理栄養士を目指す人も増えてきているため、多くの大学で管理栄養士国家試験の受験資格が得られるカリキュラムが組まれるようになりました。また、大学によって、学部は「栄養学部系」と「家政学部食物学科系」の2種類に分かれるケースがありますが、栄養学部は理系寄りで、教育や研究分野に進みたい人には適しているでしょう。一方、家政学部については、一般社会の日常生活における自然科学や、人文科学分野などが対象になる学問です。一般家庭や社会における食生活の指導などを目指している方に向いていると考えられます。学費の項目としては、入学料、授業料、施設設備費、実験実習料などで、その他にも教科書やテキスト代、同窓会費などが必要になる場合があります。
納付金は、文部科学省の「平成29年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(令和元年8月時点で最新版)」を見ると、学部ごとには調査されていませんが、栄養士に該当する「家政学科」を参考に初年度にかかる納付金を確認することが出来ました。これをもとに筆者が卒業までにかかる学費を計算してみたところ、次のようになりましたが、国公立大学の場合だと私立の3分の2程度の学費でおさまるところが多いようです。

4年制大学(私立)家政学科の納付金
4年制の栄養士養成課程、管理栄養士養成課程の大学/3,482,412円
@806,677円(授業料等)×4(年数)+(入学金)255,704円
[内訳]※初年度の費用
·入学料/255,704円
·授業料/806,677円
·施設設備費/190,722円
·実験実習料/50,842円
·その他/105,449円

出典:文部科学省「平成29年度私立短期大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)」
※栄養士になるための学科で調査はされていませんので、該当する「家政学科」を参考にしています。

まとめ
栄養士の資格を取得した後は、就職先として、病院、高齢者施設、学校、食品関連の企業、スポーツ関連施設、レストラン·飲食店の外食産業、経験を積めば講演や執筆のフリーランスなどが挙げられますが、栄養士が活躍する職場が沢山あります。職場によっても条件などは異なりますが、栄養士の資格が必須となる職場も多いので、栄養士や管理栄養士の資格を取得しておけば、自身が希望する職場で働ける道が開けてくることでしょう。