自分の給与はもちろんですが、他の人がどのくらいの給料をもらっているかも気になりますよね。そこで今回は、管理栄養士・栄養士の為の”給料”をテーマに、さまざまな角度から平均年収について余すところなく比較していきます!
「今後の生活を考えるためにも給料を比べたい」「今よりも給料の良い職場に転職を考えている」など、管理栄養士・栄養士の方に役立つ記事となっています。また、最後に給与アップを目指せるコツもご紹介してしますので、ぜひご覧ください。
早速ですが、管理栄養士や栄養士の平均年収ってどのくらいでなのでしょうか。全職種の平均年収と比較してみると、以下のような結果となりました。
この比較グラフだけを見ると、管理栄養士・栄養士ともに全職種平均よりも高い平均年収となっており、十分な給料をもらっている結果となっています。
しかし、これはあくまで”平均”の年収。ここで管理栄養士・栄養士の給料について、認識を間違えないでほしいことがあります。
管理栄養士・栄養士は、共に病院や介護福祉施設、保育園など活躍場所の幅広さが特徴な職種です。したがって「職場・地域によって給料差が激しい」ということになります。
たとえば、比較的福利厚生が恵まれている医療法人経営の病院と、あまり児童福祉に前向きではない地域の保育園では、平均年収に大きな差が生まれてしまいます。下の平均年収の振れ幅の比較表をご覧ください。
管理栄養士と栄養士の平均年収の振り幅比較表 | |
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平均年収 | |
管理栄養士 | 322~500万円 |
栄養士 | 280~410万円 |
このように、同じように管理栄養士・栄養士として働いていてもおよそ200万円もの差が生まれている実情があります。
では、給料の差の原因となっている管理栄養士・栄養士の主な職場ごとでの平均年収だとどうでしょうか。
管理栄養士・栄養士の職場別の平均年収比較表 | ||
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管理栄養士 | 栄養士 | |
保育園 | 341万円 | 300万円 |
食品メーカー | 420万円 | 360万円※1 |
介護施設※2 | 430万円 | 305万円 |
病院 | 440万円 | 350万円 |
給食センター | 600万円※3 | 340万円 |
行政(初任給) | 323万円 | 300万円 |
上表のように、ひとえに管理栄養士・栄養士といっても職場によっての年収の差が出てきてしまいます。
もちろん上記の職場以外にもスポーツクラブやエステ美容業界など、多岐にわたり管理栄養士・栄養士は活躍しています。
※1食品メーカーでは、開発や研究に携わりことになり実務経験が求められることから、即戦力として給料や待遇も良いとされています。
※2日本は今後将来的にも高齢化が止まることはなく、介護福祉施設や病院が増設される傾向にあります。これから管理栄養士・栄養士の需要がさらに上がる為、給料や待遇を改善し、優秀な人材獲得に向けて市場が動くと予想されます。したがって、近い将来、平均年収も上がっていく可能性が高いでしょう。
※3給食センターで管理栄養士の平均年収が高い理由としては、常に人手不足なことが大きく関係していて、離職率を減らす働きや、積極的に採用を行う会社が多く見受けられるからです。
ここで少し深掘り!先程の職場別の平均年収比較表にて「行政」というワードが出てきましたが、いわゆる公務員をさします。公務員は、いったい民間企業と“給料”に関して何が違うのでしょうか。
公務員は、安定していて給料も他の民間企業と比べると高いというイメージですが、上表の管理栄養士・栄養士の公務員は、イメージと違い低いと感じた方もいらっしゃるのでは。
初任給の平均年収は管理栄養士約323万円・栄養士約300万円と低めとなっています。しかし、公務員はここからが本領発揮します!経験年数を積むと確実に昇給していくことが特徴となっています。
したがって、20年ほど勤めれば管理栄養士の平均年収は約600万円・栄養士の平均年収は約400万円~500万円と上がり、民間企業の年収を上回ります。
そもそも公務員の管理栄養士・栄養士は、行政施設である保健所・保健センター、公立病院、公立保育園や幼稚園などの自治体が管理運営する施設で働いており、給料の基準は各自治体が俸給表により一律で決定しています。
また、管理栄養士は「地方上級公務員」栄養士は「地方中級公務員」として採用されるので、上級である管理栄養士の方が高い給料となっています。
このような給料の良さと安定さに憧れる方も多い公務員の管理栄養士・栄養士。別称として行政栄養士とも呼ばれていますが、採用数は少なく倍率は10倍以上と狭き門となっています。
しかし、決して民間企業すべての管理栄養士・栄養士の給料が低いというわけありませんので悲観などをしないでください。
大卒または大学院卒の管理栄養士は、研究職やDMR(臨床検査薬情報担当者)・MR(医薬情報担当者)・MS(医薬品卸販売担当者)として働くことができるます。そのため医療品メーカーで働く20代の管理栄養士は、平均年収は451万3,000円となっており、20代公務員管理栄養士の平均年収323万円を100万円以上も上回っています。
管理栄養士・栄養士の統計を見るために、平均の年齢、月給やボーナスを比較してみました。平均年齢にはあまり差がありませんが、月給と賞与に差が出ています。
管理栄養士と栄養士の平均年齢・月給・ボーナス比較表 | ||
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管理栄養士 | 栄養士 | |
平均年齢 | 36歳 | 35歳 |
平均月給 | 26.9万円 | 24万円 |
平均ボーナス | 107万円 | 57.4万円 |
この比較結果には、管理栄養士・栄養士にはそれぞれ“資格手当”がつくことが関係しています。
管理栄養士資格手当:5,000~10,000円
栄養士資格手当:2,000円~5,000円
と、約2倍の差がある資格手当です。
先程まで年収の金額を主に見ていたので、一見微々たるもののように見えますが、無視できない手当です。
管理栄養士は、栄養士よりも多くの業務をこなし、管理栄養士にしかできない管理業務もあるため賞与にも差がある結果となっています。
次に、年齢別の年収の推移を見てましょう。今後の将来設計にぜひお役立てください。
年齢 | 平均年収 | 平均月給給与 | ボーナス |
20〜24歳 | 245.1万円 | 15.3万円 | 261.3万円 |
25〜29歳 | 305.3万円 | 19.1万円 | 76.3万円 |
30〜34歳 | 335.4万円 | 21.0万円 | 83.9万円 |
35〜39歳 | 382.7万円 | 23.9万円 | 95.7万円 |
40〜44歳 | 430.0万円 | 26.9万円 | 107.5万円 |
45〜49歳 | 481.6万円 | 30.1万円 | 120.4万円 |
50〜54歳 | 516.0万円 | 32.3万円 | 129.0万円 |
55〜59歳 | 511.7万円 | 30.0万円 | 127.9万円 |
60〜65歳 | 348.3万円 | 21.8万円 | 87.1万円 |
年齢 | 平均年収 | 平均月給給与 | ボーナス |
20〜24歳 | 193.8万円 | 12.1万円 | 48.5万円 |
25〜29歳 | 191.4万円〜241.4万円 | 15.1万円 | 60.4万円 |
30〜34歳 | 165.2万円〜265.2万円 | 16.6万円 | 66.3万円 |
35〜39歳 | 198.6万円〜302.6万円 | 18.9万円 | 75.7万円 |
40〜44歳 | 219.0万円〜340.0万円 | 21.3万円 | 85.0万円 |
45〜49歳 | 258.8万円〜380.8万円 | 23.8万円 | 95.2万円 |
50〜54歳 | 298.0万円〜408.0万円 | 25.5万円 | 102.0万円 |
55〜59歳 | 294.6万円〜404.6万円 | 25.3万円 | 101.2万円 |
60〜65歳 | 175.4万円〜404.6万円 | 17.2万円 | 68.9万円 |
平均年収推移としては、少しずつではありますが上がる傾向にあり、どちらも50代で管理栄養士の平均年収は516万円、栄養士の平均年収は408万円が給料の最大ピークとなっています。
ただ、働き盛りの20~30代の年収が低めなのは実に世知辛く、この給料の少なさに管理栄養士・栄養士が早期離職してしまう要因のひとつとされています。しかし、ボーナスも含めれば経験年数に応じて着実に増えていっていることが分かります。
栄養士の平均年収の開きは、雇用形態の違いでも大きく開いています。
管理栄養士の雇用形態別の平均年収 | |
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アルバイト | 135.4万円 |
派遣社員 | 229.2万円 |
契約社員 | 257万円 |
業務委託 | 299.2万円 |
正社員(正規雇用) | 310.5万円 |
この比較からみても、アルバイトと正規雇用である正社員とでは約2倍もの差があります。非正規雇用だと、ボーナスが出ない職場がほんとんどです。業績によりボーナスが出た場合も寸志程度の支給なので、正社員との大きな年収の開きとなります。
したがって、高収入を目指すなら、正社員での採用を前提に転職活動することをオススメします。
厚生労働省による平成29年賃金構造基本統計調査調べ
リクナビNEXTの会員登録者のデータ(2014年12月~2015年11月)