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保健所など地方公務員として働く”行政栄養士”のお仕事についてご紹介! 行政栄養士として働くための方法や求められる能力などを解説!

保健所や保険センターなどの地方公共団体で働く栄養士のことを「行政栄養士」と呼んでいます。行政栄養士の担う仕事として、主に地域住民に対する栄養指導などを行いますが、生活習慣病の改善と予防が大きな課題となっていますので、食に関する環境整備は行政の取り組みとしても大事な役割の1つとなっていることはご存知でしょうか。今回は、管理栄養士として活躍できる職場を探されている方に向け、行政栄養士の仕事内容や、行政栄養士の職場での働き方などについて、記事で詳しく取り上げていきたいと思います。

保健所などの地方公務員として働く行政栄養士の役割について

行政栄養士として保健所などで働く場合、基本的には管理栄養士の資格が必要となりますが、市町村などの地方自治体の地方公務員として勤務することになり、地域住民に対する栄養指導や健康増進に貢献することが主な役割となります。仕事の役割としては、地域住民などの健康づくりを支援するための環境づくりとして、食環境整備を中心としながら、栄養相談、健康教育、健康寿命の延伸や健康格差の縮小に向けて貢献することが求められます。また、生活習慣病の増加が課題となっていますので、特定健診や特定保健指導の実施率を上げることで、生活習慣病の発症予防や重症化予防を促進することも重要です。こうしたことに加え、災害時には住民の健康を守ることも行政栄養士の大切な役目になりますが、災害が長期化する場合の被災者に対する栄養バランスの確保や、疾病で食事制限がある人などの対処にも注意しなければなりません。

保健所などの地方公務員として働く行政栄養士の仕事内容について

行政栄養士として働く環境を挙げてみると、都道府県庁、市役所、町役場、保健所、保健センターなどがあります。行政栄養士は、地域の健康づくりを栄養・食生活面から支援することになりますので、地域に暮らす個人や家族に合わせた個人はもちろんですが、集団としても、その地域に必要な取り組みを行うように心がけなければなりません。具体的な仕事内容としては、主には「個別指導」「集団指導」「地域づくり」「組織育成」「給食施設指導」の5つに分類できますが、例えば、40歳~74歳までの公的医療保険(国民健康保険等)加入者全員を対象とした保健制度となる特定保健指導をはじめ、乳幼児検診の個別栄養相談、要介護者や子育てをする家庭に訪問して栄養指導することや、地域の生活習慣病予防や離乳食講習会などに関する各種講習会の実施、ボランティアとして活動する栄養委員を養成するための栄養教室の実施、給食施設における栄養管理の指導や支援などが挙げられるでしょう。

保健所などの地方公務員として働く行政栄養士に求められる能力

行政栄養士に求められる能力は、「基本的能力」「行政能力」「専門能力」の3つで、実際の行政栄養士の活動ではこの3つ能力は必要不可欠とされています。それぞれを説明すると、「基本的能力」は職業人としての基盤となる能力、「行政能力」は行政組織や法律に対する理解、「専門能力」「基本的能力」と「行政能力」を組み合わせることです。
中でも「専門能力」について、具体的に説明すると、食や栄養に関する専門的な知識が備わっていることのほか、栄養指導や健康相談を受ける対象者の生活全般を観測して分析できることや、集団全体の健康・栄養状態を検診結果や統計などから分析できる力、その時々で優先すべき健康・栄養課題を明確して栄養指導ができること、栄養委員やボランティアの理解を得ながら協働で業務を進めることなどが求められます。こうした「専門能力」については、仕事をしながら身に付けることが多くなりますが、行政栄養士の意識として、積極的な行動力や結果を出せる実行力を心がけることが大切といえるでしょう。また、栄養指導や健康増進には、様々な年代の住民の方々と接していきますので、相手の気持ちに寄り添って話を聞いたり、わかりやすく説明したりする工夫も必要となるめ、コミュニケーション能力を磨いていかなければなりません。

保健所などで行政栄養士として働くために必要なこと

行政栄養士として保健所など職場として考えるのであれば、地方公務員として働くことになりますが、管理栄養士とは別に、公務員試験にも合格しなくてはいけません。また、公務員試験を受験する上で気をつけなければいけないのが年齢制限です。受験資格が30歳までもしくは経験者のキャリア採用は35歳までなど、年齢制限を設けている自治体が多いので、事前に求人情報などをしっかりと調べておきましょう。公務員の管理栄養士は、人気があって応募者数も多いため、求人倍率が高い傾向にあり、しっかりと試験対策をしなければなりません。それぞれの自治体ごとに採用方法や配属先などは異なりますが、いずれの自治体でも採用枠があまり多くないので、競争率が高くなることは覚悟しておく必要があるでしょう。対策としては、自治体のHPに過去問があるので解いてみると良いですが、選択問題や記述問題の傾向を掴むのも効果的です。2次試験では面談や小論文などもありますが、1次試験は難関となり、基準になる点数を満たしていないと1次試験で落ちてしまうので、まずは1次試験の栄養学などの専門分野をしっかり勉強することが先決と言えるでしょう。

保健所などの地方公務員として働く場合のやりがいとは?

行政栄養士として保健所などで働くことのやりがいは、地域の様々な人と関わり、個人及び団体の栄養指導や健康増進を推進しながら、地域社会に対する貢献が実感できることではないでしょうか。また、地方公務員として働くことになるので、賃金や待遇面での安定性も魅力の1つとして挙げられますが、懲戒などを受けなければ、経験年数を重ねていくことで、ほぼ確実に毎年少しずつ昇給していくことや、地方公務員の退職金(総務省「地方公務員給与実態調査結果」の25年以上勤続した場合の退職金を参考)の平均にして約2,200万円以上が給付されることもポイントとして大きいでしょう。

まとめ
行政栄養士は、地方公務員として、より多くの地域住民の方と接する機会も多く、民間の企業と比べても雇用の安定性や社会貢献度が高い仕事となりますので、倍率も高く採用は難関ではありますが、是非ともチャレンジしてみたい魅力的な仕事の1つになりますね。