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”国家公務員として自衛隊の栄養管理に携わる”栄養士のお仕事 役割や給料などをご紹介!

日本の平和と独立を守るため、国の安全を保つ軍事組織として活躍している自衛隊。自衛隊の職場においても、管理栄養士や栄養士が活躍していることを読者の皆さんはご存知でしょうか。今回は、自衛隊の職場における栄養士の役割や給料などを記事で取り上げていきます。

栄養士として自衛隊で働く方法や仕事の内容は?

自衛隊で働く栄養士は、国家公務員となりますが、肩書としては「特別職国家公務員」ももしくは「防衛技官」とも呼ばれています。就職するためには、陸空海問わず試験を受ける必要がありますが、「日本国籍をもたない人」「成年被後見人または被補佐人」「禁錮刑以上の刑に処せられた人」「法令規定によって懲戒免職処分を受けた人」「懲戒免職処分から2年の経過がない人」などに該当する人は受験資格がありません。試験科目としては、筆記、面接、身体検査の主に3種類となりますが、一般的に航空自衛隊の駐屯地に応募する場合は2種類となり、陸上と海上は3種類すべてが必要です。試験に合格した後は、主には自衛隊員の栄養・管理を中心に、献立作成や栄養バランスの計算、食材選びから調理指導、衛生管理などを対応することになるでしょう。また、日夜ハードな訓練をしている自衛隊員の栄養サポートについては、自衛隊員の栄養バランスを整えることは極めて重要なこととなり、体を動かしてエネルギーの消費も多いため、炭水化物などを意識的に摂取する献立を作ることも特徴として挙げられます。
このほか、地震や台風などの自然災害時に備え、自衛隊員が被災地などの野外で炊事する際の教育や支援も行うことも大切な仕事の1つとなります。こうした災害時には、陸上自衛隊の場合、焼き物を除いた米飯、汁物、副食を同時に約200人分まで調理できる車両「炊事車」を使いますが、普段から炊事車での調理実習を行っており、本番で手際よく速やかに被災者へ食事が提供できなければなりません。炊事車には、火元となるバーナー、調理するための釜、揚げなべのほか、皮むき、千切り、すりおろしなどの裁断機まで搭載されています。炊事要員は、給養員と呼ばれ、自衛隊員の任務として兼務するのが一般的ですが、栄養士が給養員に対して調理指導や衛生管理についても指導します。例えば、被災者の健康管理に対する配慮や、衛生管理の面では、調理の際のマスクや手袋の着用、食中毒などを予防するための食材管理についても注意します。

自衛隊で働く栄養士の労働条件はどのようになるのか?

自衛隊の栄養士として働く場合、勤務時間については、陸空海駐屯地は全て共通で、7時間45分となっています。基本的には、平日の勤務となりますので、土日祝日は休みで暦通りとなることが多いほか、有給休暇、夏季休暇、年末年始休暇、産休、育休、介護休暇なども設けています。残業や特別休暇などは、陸空海の部隊や駐屯地によっても異なる場合がありますので、気になる方は予め調べておくようにしましょう。

陸空海の駐屯地によって特徴や違いはあるのか?

自衛隊は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つに分類されますが、全国約260の勤務地があります。勤務地によって栄養士や管理栄養士に求められる仕事内容や職場環境も若干変わってくる場合がありますが、一般的にはそれぞれの駐屯地の基地内(隊員食堂)が職場になることが多く、各駐屯地には約1~3名程度の栄養士や管理栄養士が配属されることになるでしょう。駐屯地の規模にもよりますが、自衛隊員の食事を作る調理場の環境は、大規模であれば大量に作るための調理機器が導入されており、小規模であれば最小限の調理器具で手作りが基本となります。
駐屯地の調理場には給養員を配置しており、栄養士は栄養管理や指導だけでなく、配ぜんや調理手伝いをすることもあります。こうしたことに加え、自衛隊では地産地消の傾向が強いため、食材は地元で採れた農産物を使うことも多いのが特徴として挙げられます。また、自衛隊で管理栄養士や栄養士として働く場合、任期が決まっていることもありますが、任期延長の更新が可能な職場もあります。駐屯地によって異なりますので、長期で勤める予定の方はしっかりと事前に募集要項などを確認しておきましょう。

自衛隊で勤務する栄養士さんの給与はどのくらい?

自衛隊で働く栄養士は国家公務員となりますので、「年俸表」という基準に従って給与が決まります。年俸表は、国家公務員の給与が法律によって決定されており、「俸給」と「諸手当」の区分の合計が支給されます。更に詳しく説明すると、俸給には職務や保有資格ごとに給与が定められた「俸給表」という基準があり、管理栄養士や栄養士はそのなかの「医療職俸給表(二)」という区分が該当することになります。人事院による「国家公務員給与の実態(平成31年4月現在)」を見ると、医療職俸給表(二)の栄養士は、主な俸給表が適用される職員の平均年齢が46.2 歳、平均俸給額及び平均給与月額は、平均俸給額が309,010円、平均給与月額が353,649円でした。
出典:人事院「国家公務員給与の実態」
「平均俸給額」には、俸給の調整額を含まれています。
「平均給与月額」は、俸給及び諸手当(特殊勤務手当、通勤手当及び超過勤務手当等の
実費弁償的又は実績支給である給与は含まない)の合計額です。
「医療職俸給表(二)」は、調剤に従事する薬剤師も含まれています。

まとめ
体が資本となる自衛隊員の任務を遂行するためにも、栄養士による栄養サポートは必要不可欠です。また、栄養士として、自衛隊員が被災地などの野外で炊事する際の教育や後方支援などを行うことについても、社会的な意義や貢献を実感できる仕事となるでしょう。栄養士が活躍できる転職先を探されている方は、国家公務員として働ける自衛隊も職場の1つとして検討されてみてはいかがでしょうか。