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管理栄養士・栄養士の気になる転職事情 上手に転職するコツや注意点を紹介!

管理栄養士や栄養士の資格を取得したのに、実際に働いてみたら調理業務ばかりで職場は人手不足のために過重労働で精神的にも体力的もかなり厳しい…
管理栄養士、栄養士の方の中には、「私も同じような境遇だ」と感じた方もいると思いますが、こうした理由によって転職する方は少なくないそうです。今回は、転職を考えている管理栄養士、栄養士の方に向け、上手に転職するコツや注意点などを紹介していきたいと思います。

管理栄養士·栄養士が転職を考える理由は何が原因?

管理栄養士、栄養士の方の転職の背景には、どのようなことが退職の理由にあるのでしょうか。管理栄養士、栄養士の主な退職の原因としては、主には仕事量、低賃金、人間関係の3つが挙げられますが、結婚、子育てなどの場合もありますので、ここで取り上げていることは一例として参考程度に見て下さい。
退職理由を詳しく調べてみると、管理栄養士、栄養士の職場によっても異なりますが、栄養士の人員配置が全体的に少ない傾向にあり、1人で孤立してしまう場合が多く、人手不足から過重労働になりがちで、他の国家資格(看護師、介護福祉士、保育士、調理士など)と比較しても月収が低いうえ、女性の多い職場だと人間関係が難しいことなどが理由として挙げられていました。
また、管理栄養士、栄養士は、管理栄養士養成施設、栄養士養成施設を卒業した後、給食委託会社に就職している方が多く、調理経験が少ないと栄養士として信頼もされないので、給食委託会社でしっかりと調理業務経験を積んでから転職を考える方もいる様子が伺えます。現在、管理栄養士、栄養士の離職率に関する公的機関による統計は見当たりませんでしたが、栄養士の栄養士が働いている職場となる職業の離職率は厚生労働省による統計データ「雇用動向調査結果の概況 平成29年度」があり、それによると、飲食サービス業の離職率が30%、医療、福祉の離職率が14.5%、教育関連の離職率が13.9%であることが分かります。この結果は、栄養士の離職だけを示したものではありませんが、他の建築業や金融や保険業などに比べると、栄養士が働いている職場の離職率が全体的に高い傾向にあることが分かりました。

管理栄養士·栄養士の転職先は?

次は、管理栄養士、栄養士として現在働いている職場を退職した後、どのような職場が考えられるのでしょうか。管理栄養士、栄養士が活躍している職場として、厚生労働省の各種調査にある栄養士の人員配置の状況を見る限り、管理栄養士と栄養士では多少異なりますが、主には病院、保育所、介護保険施設、学校、社会福祉施設、行政、事業所(食品メーカーの新商品開発部門や研究部門など)、児童福祉施設などで働いている方が多いことが分かります。このほかにも、特定非営利活動法人日本栄養改善学会の調査結果を見てみると、薬局·ドラッグストアに勤務している方の割合も多かったので、こうした職場が転職先の候補として考えられるでしょう。もちろん、目指していることや職務経験などによっても転職先は変わりますが、基礎栄養学分野、調理学分野、食品学分野、公衆衛生学分野、医学系分野などの専門性を高めることはキャリアアップに繋がります。言い換えれば、食に携わる分野ではどの職場でも活躍できる可能性があり、現在の日本は高齢化や生活習慣病の増加などが社会問題として深刻化していますので、これから栄養士の必要性は益々高まることでしょう。
そして、管理栄養士、栄養士の資格を取得する人も年々増えていますので、知識や経験などから専門性を高めることに加え、仕事を通じて人脈を広げておくことは、転職を成功させるうえで重要なポイントになります。

管理栄養士·栄養士が転職時に注意すべきこととは?

基本的なことではありますが、転職の際に注意したいことは、人間関係などは実際に働いてみないと分からないことも多いので、希望している仕事内容と応募先の企業で求めていることに相違がないか確認することがとても大切です。例えば、仕事をするうえで何事も経験することは必用ですが、冒頭で触れたような「実際に働いてみたら調理業務ばかりで…」といったような相違があると長く勤めるうえでネックになるでしょう。このような場合、その職場でも同じようなことにならないか、食事の提供もしくは栄養の指導がどの程度の割合で求められているのかなどを把握しなければなりません。
また、応募企業の労働環境に関する情報収集をすることも大切で、どのような人員体制で働くことになるのか、他部署との連携があるのか、休日出勤や残業はどの程度必要となるのか、キャリアパスと賃金の関係についてなど、しっかりと入社前に確認しておきましょう。確認する方法としては、面接や職場見学などの機会に直接質問するほかにも、その職種全体の傾向を知ることも参考になるので、管理栄養士、栄養士のためのインターネットコミュニティに参加して聞いてみたり、友人や知人を通じて経験者に聞いてみたりするなど、複数から情報収集することを心がけて下さい。

どのようにアピールすれば管理栄養士·栄養士の転職は上手くいくのか?

転職では、面接や職務経歴書などでは、貴方の強みや熱意を伝えることになりますが、貴方ならどのように自己PRしますか。
まず、前提として、自身が勤めた会社の不平不満や、ネガティブな発言をすることは、控えなければなりません。想像できると思いますが、あまり良い印象は与えないからです。応募先の企業に対しては、「入社後に活躍してくれそうな人材であるか」「仕事を前向きで直向きに取り組んでくれそうか」などをイメージしてもらえるように伝える、もしくは職務経歴書などで自己PRする文章を作成する必要があることを念頭に置きましょう。特に、面接では、どうアピールすべきなのか悩む方も多いと思いますが、学歴や職歴や資格などもさることながら、面接官に与える「好感度」がとても重要になってきます。
更に詳しく言えば、好感度を高めるため、自身に対する「期待感」も高めてもらうように話すことがポイントです。
例えば、「私は、職に対する専門性を高めるために、管理栄養士の資格を取得しました」と伝えたと仮定しますが、この説明から面接官の期待感を高めることはできるでしょうか。全く伝わらないとは言いませんが、不足している感が否めません。一方で、「私は、管理栄養士の資格を取得した後、ネットで手軽に得られる情報だけでなく、現在の栄養士の課題や、この先は何が求められていることを知りたいと考え、日本栄養士会の研修会にも参加してみた」と伝えたらどうなるでしょうか。
管理栄養士の資格を取得した話は一緒でも、後者のほうは仕事に対する探求心や熱意まで伝わり、その人がどのような見解や意識をもっているのか関心を寄せ、結果として期待感を高めることに繋がるでしょう。
こうしたことが、「入社後に活躍してくれそうな人材であるか」「仕事を前向きで直向きに取り組んでくれそうか」といった期待感に繋がることを覚えておきましょう。

まとめ
管理栄養士、栄養士の転職を成功させるためには、自身が進みたい分野で専門性を高めていくことが大切ですが、自身の意思で業界を研究してみたり、人脈を広げてみたりすることも必要です。そうした中で、貴方が求めていることに近づいたり、不足していることを補ったりしながら、進むべき道も定まってくるのではないでしょうか。